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史料編纂所所蔵『実隆公記』(重要文化財)出陳のお知らせ

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 史料編纂所では、国宝1件、重要文化財15件をはじめとする貴重な原本史料を数多く所蔵しており、各地の博物館・美術館からの出陳依頼にも対応しております。ただいま開催中のサントリー美術館「徒然草―美術で楽しむ古典文学」展では、本所所蔵の『実隆公記』が展示されております。
 今日では誰もが名は知る『徒然草』は14世紀半ばに成立した兼好法師の随筆ですが、よく読まれるようになるのは17世紀初頭以降になります。本展の中心となる「徒然草絵巻」全20巻をはじめ、『徒然草』に取材した絵画作品も、江戸時代前期の古典受容のなかで生み出されました。
 本展の第一部では、それ以前の『徒然草』享受の歴史を辿りますが、年代のはっきりする『徒然草』所見の歴史史料として『実隆公記』は最初期のものに属します。本所所蔵の『実隆公記』は、室町時代の貴族である三条西実隆(1455~1537)の日記で、自筆原本が約150巻伝わり、当時の政治や文化状況を知る重要な史料です。今回はそこから、実隆が『徒然草』を書写・校合したことを示す明応六年(1497)の記事と、兼好法師の旧跡として知られていた仁和寺近くの寺に関する文亀三年(1503)の記事とが、前・後期の入れ替えで展示されます。(なお画像は本所データベースより参照が可能です。)
 脆弱な歴史史料に対しては、保存と利活用とのバランスに対する特段の配慮が必要であり、『実隆公記』当該巻の展示は限られます。是非この機会にご観覧ください。

場所:サントリー美術館(六本木・東京ミッドタウン内)
展示期間:2014年6月11日(水)~7月21日(月・祝) ※展示替があります。


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