11月8日(金)・9日(土)の2日間、史料編纂所では第36回史料展覧会を開催しました。展覧会は原則として3年にいちど開催され、第1回は1902(明治35)年でした。今回は研究所の耐震工事後2回目の開催となり、新収史料展示、企画展示のほか、研究所紹介やプロジェクト展示のコーナーが設けられました。
企画展示は「東アジアと日本、世界と日本」と題し、古代から明治維新期までの対外関係・対外交流に関する所蔵史料30点が陳列されました。平安前期の常暁(入唐八家)が請来した太元帥法に関する史料から始まり、国宝9点、重要文化財4点をふくむ鎌倉・室町・戦国・江戸時代の貴重な原本史料が並びました。なかでも今回の展示のハイライトは、これまでほとんど公開の機会がなかった大型史料です。豊臣秀吉旗下の武将前田玄以を都督僉事(ととくせんじ)に任じた明の公文書・明国箚付(みんこくさっぷ)や、同じく壬辰倭乱(文禄・慶長の役)の際に、朝鮮の僧松雲が加藤清正に宛てた書もほぼ80年ぶりの出陳となりました。このほか、スペイン、オランダ、シャム、カンボジアからの書簡、さらに琉球や朝鮮、蝦夷、ロシアに関する史料、そして日本人の海外渡航を禁じた「鎖国令」や、幕末の開国後に必要となった旅券に関する史料などが展示され、多くの見学者が原本史料の生の迫力を感じ、食い入るように見つめていました。
今回の展示を準備する過程で新たな発見もありました。幕臣近藤重蔵によるカンボジア国書の写本が、クメール文字で書写された世界最古の史料のひとつであろうことが明らかになっています。現在では碑文でしか見ることの出来ない書体だそうです。また幕末の会津藩士横山主税がヨーロッパを遊歴した旅券添状を展示し、同人に発行された旅券(印章)をパネル展示したところ、旅券を所蔵する白虎隊記念館(会津若松市)の早川広中館長をはじめ、福島からも多くの見学者がありました。
当日の見学者には史料編纂所が作成した展示図録が配布され、担当所員の解説に人だかりができるシーンもありました。わずか2日間の限られた時間ながら、約1300名の見学者が訪れ、史料が語る歴史の世界を楽しみました。
企画展示は「東アジアと日本、世界と日本」と題し、古代から明治維新期までの対外関係・対外交流に関する所蔵史料30点が陳列されました。平安前期の常暁(入唐八家)が請来した太元帥法に関する史料から始まり、国宝9点、重要文化財4点をふくむ鎌倉・室町・戦国・江戸時代の貴重な原本史料が並びました。なかでも今回の展示のハイライトは、これまでほとんど公開の機会がなかった大型史料です。豊臣秀吉旗下の武将前田玄以を都督僉事(ととくせんじ)に任じた明の公文書・明国箚付(みんこくさっぷ)や、同じく壬辰倭乱(文禄・慶長の役)の際に、朝鮮の僧松雲が加藤清正に宛てた書もほぼ80年ぶりの出陳となりました。このほか、スペイン、オランダ、シャム、カンボジアからの書簡、さらに琉球や朝鮮、蝦夷、ロシアに関する史料、そして日本人の海外渡航を禁じた「鎖国令」や、幕末の開国後に必要となった旅券に関する史料などが展示され、多くの見学者が原本史料の生の迫力を感じ、食い入るように見つめていました。
今回の展示を準備する過程で新たな発見もありました。幕臣近藤重蔵によるカンボジア国書の写本が、クメール文字で書写された世界最古の史料のひとつであろうことが明らかになっています。現在では碑文でしか見ることの出来ない書体だそうです。また幕末の会津藩士横山主税がヨーロッパを遊歴した旅券添状を展示し、同人に発行された旅券(印章)をパネル展示したところ、旅券を所蔵する白虎隊記念館(会津若松市)の早川広中館長をはじめ、福島からも多くの見学者がありました。
当日の見学者には史料編纂所が作成した展示図録が配布され、担当所員の解説に人だかりができるシーンもありました。わずか2日間の限られた時間ながら、約1300名の見学者が訪れ、史料が語る歴史の世界を楽しみました。